旅する教師の業務報告

「旅する教師」として「みんなを自由にする」活動をしています。ご査収ください。

2020-01-01から1年間の記事一覧

(おそらく幾分先進的な)勤務校のコロナ対応についての情報共有、あるいは「シン・ゴジラ」に学ぶ学校組織の緊急時対応

勤務校のコロナ対応について、「コロナが落ち着いたらまとめよう」なんてことを思っていたのだけど、どうやら「アフターコロナ」はまだまだずっと先らしい、と気づいた今、こうやって書き出しています。 「そちらの学校のコロナ対応はどんな感じですか?」 …

「グループワーク、ペアトーク禁止令」下での授業について、あるいは新しい対話型授業の可能性

勤務校で「授業中のグループワーク、ペアトーク等禁止令」が出た。 まあ、このご時世で当然と言えば当然なのだけど、ここ数年間「いかに“教師主導の学び”を脱するか」ということを考えながら授業をしていた身としては『ちょっと、それって授業を何年分元に戻…

高校生のプロジェクトの“伴走”について(2020年2月現在) あるいは自分が受けてきた“伴走”について

この話題は2月の末に投稿したかったのだけど、いつの間にか新年度。勤務校は3月は臨時休校もなく、学校業務も比較的安定していたのだけど、そういう時期よりも業務がばたばたしているときの方が執筆意欲が湧くから不思議だ。 ということで、今回は生徒の「探…

学校のチャイムは何のためにあるのか、あるいは議論の揚げ足をとりまくる不毛さについて

そういえば、最近はチャイムのない学校にしか勤務していない。 現任校も、一つ前の勤務校も、いわゆる「ノーチャイム」だった。(たしか)その前の勤務校にはチャイムがあったと思うのだけど、あまり覚えていない。 まあ、そういう意味で僕自身はノーチャイ…

【島生活】グレは全身を味わう

「グレ」というのは「メジナ」の隠岐での呼び名だ。 今日魚屋に並んでいたグレは大きかった。 (魚屋さんいわく、「この時期のグレはこんなもんだけん」だそうだけど、やっぱり絶対的な大きさとして、デカい) すごいなあ、という顔をしながらグレを見ていた…

その「支援」は「強制」になっていないか、あるいは「妨害」になっていないか。

今回は短文でまとめよう。 「支援」とは、 「本人がもともと『やりたい』と思っていた内容について、本人が自分でできる状態になるように手助けすること」 であって、 本人が『やりたくない』と思っていることを”手助け”する → 【強制】 本人が自分でできる…

「平均」を見て議論すること、あるいは集団を「分かった」と思うこと

生徒たちはよく「平均点」を気にする。 試験を返したあとに 「先生、平均点は何点ですか?」 と聞かれるのだけど、以前の私はだいたい一言、 「知らない」 とぶっきらぼうに答えるだけだった。 まあ、本当に切実な理由で平均点を知りたい生徒も中にはいるの…

つんどく解消プロジェクト。【2020年1月】

悩みがある。 ――僕も物想う30代だ。当然ある。 目下いちばんの悩みは、 つんどくが減らないこと。 一向に減る気配がない。 今日も5冊、新しい本が Amazon 氏から送られてきた。 前回、氏から送られてきた本は10冊くらいあったが、まだ2冊しか読めていない。 …

【島生活】欠航の日は休校の日、あるいは「自然には勝てない」という正しい前提をもつこと

朝の6:30に島内無線が響きわたる。 まずは隠岐汽船から 「本日、海上時化のため、フェリーは終日欠航します」 続いて隠岐観光から 「内航船いそかぜ、フェリーどうぜんは終日欠航します」 この2つの放送が同じ内容だと思うかもしれないが、前者は本土から隠…

過去の自作テストを辛口批評してみた。

先日、センター試験の数学の問題を上から目線で辛口批評する、という記事を書いたのだけど、 参考: それを読んだ生徒から 「先生、せっかくだから自分が昔作ったテストでもやってくださいよ」 と言われたので、 「それオモシロいじゃん」 と。 …さすがに現…

【話題】安楽死と「自らの死を選ぶ権利」とモラル

この記事で思い出したのだけど、中学教員時代、「安楽死」をテーマに道徳の授業を設計したことがある。 ____ 対象としたのは中学2年生。 いわゆる「議論する道徳」が好きな生徒たちで、毎回とても活発な意見を出し合っていたし、その後の個々人の考察も深か…

「キャリアプラン」を「検討」すること、あるいは「進路」を「指導」すること

勤務校には「キャリアプランニング検討会」という会がある。 その会では生徒が書いた希望進路先などを見ながら、教員がその内容に対する提案や情報共有、懸念点などを発言していくのだけど、その会に出席していて毎回思う。 『大卒→教員 というキャリアしか…

【島生活】カワハギは肝醤油か、味噌汁か

今日、授業が始まる前に生徒たちと世間話をしていて、 「この前、魚屋さんで大きいヨコワを買っちゃったから、最近毎日マグロ丼なんだよねー」 とか言っていたら、島出身の生徒が一言、 「え…、あの…、魚って、買うものだったんですね…?」 …、…う、うん。 …

【センター試験2020】数学ⅡB問題レビュー、あるいはただの憂さ晴らし

昨日、深夜のテンションでセンター数学ⅠAの問題を辛口にレビューしていたら思いのほか楽しかったので、調子に乗ってⅡBもやってみます。今度はシラフです。 参考: あ、「上から目線の辛口批評」ってのがこのシリーズのテーマなので、基本理不尽ですし、そこ…

【センター試験2020】数学ⅠA問題レビュー、あるいは問題作成者の視点に立つということ

「先生、数学IA難しかったです!怒」 「数学IA、先生が出しそうな問題でした!!怒」 となぜか怒られた感じで生徒に言われた月曜日。 えっと、あの、ごめんなさい……。 センター試験も今年で最後、来年度からは問題傾向も大きく変わる予定なんで本来あんまり意…

【島生活】まさかの到来、ヨコワウィーク

この前のブログで「運がよければ」と書いていたヨコワウィーク。 まさかの本日到来。 ヨコワとの出会いは2年前。 いつものように魚屋さんに行って、今日はハマチがおいしそうだなーなんて魚を眺めていたら、ご主人が 「いやー、先生、今日はコレでしょ!」 …

職員室の3学期、あるいは教員と「評価」の関係について

3学期になると、職員室の話題は全国どこでもだいたい一緒。 「人事」だ。 僕は都合、5つの府県で職員室に通わせてもらっていたのだけど(立場は教員だったり学習支援員だったりスクールサポーターだったり様々だったが)、どこの職員室でも同じだった。 3学…

【島生活】イカウィークは煮物力勝負

一昨日からのイカウィーク(2020年1月)。 今日は 二晩つけたヅケ 2日目の煮物 というイカメニュー(+日本酒)。 煮物はアオリイカの半身と、追加の具材で大根・にんじん・エノキ・豆腐を投入。にんじんが甘くて豆腐もいい感じ。大根は昨日から鍋に残ってた…

【話題】データの読み方、あるいは教員の辞め方のあれこれについて

「いやいや、ちょっと待てよ」 …と思った記事が上がっていた。 リンク先の記事を簡単にまとめると、論点は3つ。 2018年度、公立学校の教諭(正規採用教員)の1年以内の退職者が全国で431人となり、99年度以降、最多となった 退職者した431人のうち299人は自…

【島生活】シマメイカとアオリイカとイカウィーク

年末年始に会った友人らに教員としての話をするかたわら、僕の離島での生活を話したところ、「オモシロそうだね」「離島の生活興味ある。もっと知りたい」とコメントをいただきましたので、今後教育論に交えてこんな話もブログに上げていこうかな、と。 島の…

センター試験を受ける生徒たちへのメッセージ、あるいは “Take it easy” という考え方

今日、勤務校でセンター試験の激励会なるものがあった。 誤解を恐れずに言えば、私はこの「センター試験激励会」という会が嫌いである。 センター試験はたしかに大事な試験なのだけれど、それを受ける生徒だけが特別に学校公式の場で「激励」されるというの…

【話題】Society 5.0 について考えていること、あるいはSociety 5.0 を無視すること

こんな主張があった。 「Society 5.0ですべてが一新する」というような発想はあまり好きではなくて、あくまで「今までの社会に大きな要素が付け加わる」という発想でいいんじゃないかと思っている。 ただの臆病者の楽観視だと思われるかもしれないが、それな…

【話題】1人1台のICT機器を導入すること、あるいは授業者の「マインド」を変えること

この記事を大いに納得しつつ読んでいて、年末年始にお会いした何人かの方に「学校現場でICTを本当の意味で活用するには、まずは教員のマインドを変える必要がある」と話していたことを思い出した。 というのも、一斉授業の延長で「クラスみんなが同じ手順で…

教育における『自由』について、あるいは社会における『迷惑』について

私の父は大学で政治思想史を専門に教えている。年末年始に帰省したときに政治思想的な観点から教育を語り合う機会があったので、今回はそのときの会話を備忘的に記しておきたい。 なお、今回の内容は、教育哲学者・苫野一徳さんの著書を念頭においている。ご…