旅する教師の業務報告

「旅する教師」として「みんなを自由にする」活動をしています。ご査収ください。

【話題】1人1台のICT機器を導入すること、あるいは授業者の「マインド」を変えること

この記事を大いに納得しつつ読んでいて、年末年始にお会いした何人かの方に
「学校現場でICTを本当の意味で活用するには、まずは教員のマインドを変える必要がある」
と話していたことを思い出した。

というのも、一斉授業の延長で「クラスみんなが同じ手順で同じ活動を行う」っていうスタンスで授業設計をすると、本当に「1人1台のICT機器を使う」必要性がある授業にならない(ことが多い)から。

というかむしろ、今までの日本の先生方はICT機器を使わずにそういう学びの効率を最大限上げるような工夫をしてきたので、それにわざわざICT機器を入れなくても授業が十分機能してしまう。

今までの授業が100だったとして、ICT機器を入れると105くらいにはなるけど、その導入とかのコストが10くらいかかるから、結果としてあんまり使わなくなったり…

でも、授業におけるICT機器の導入の効果って本質的にはそこじゃなくて、「クラスの1人ひとりがまったく別の学習活動を行う」ということを可能にするという点がいちばん大事なんだと思う。

今まで先生方が授業を1人で運営していたのにたいして、ICT機器を効果的に活用することで子どもたち1人ひとりに小さな先生をつけることができる、ということ。そして子どもたち1人ひとりが自分のペースや理解の方法に合った形で学習活動を選択できる、ということ。

そうすると、今までは「ある子にとっては100だったけどある子にとっては50だった」授業が、「すべての子にとって80以上」の授業へと変容していく。たぶんこれが教育のICT化の本質なんだと思う。

だから、学校現場で教育のICT化を進めるために、教員はまず「クラスみんなが同じ手順で同じ活動を行う授業」を手放す必要があって、そしてそのためには、多くの教員の根本にある「教員は子どもたちを管理・統率する存在である」というマインドを手放さないといけないんだと思っている。

この変化を良しとしない考えも分かる。特に今まで生徒全員に100の授業を追究してきた先生方は、90や80に落ちてしまうかもしれないことを嫌がるのも仕方ない。その意味で、そういう一斉指導型の教員とICTを活用した個別最適型の教員がお互いに共存できて、さらに生徒がその授業スタイルを選択できるようになるとよりよい形になるのかな、と思ったり。

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…今年からはこんなふうに、今までFacebookに上げていた内容もこちらに上げてみようかな、と。Facebookへのリンク投稿だとどうしてもフローで流れてしまうので、コンテンツをストックしておきたくなり。