旅する教師の業務報告

「旅する教師」として「みんなを自由にする」活動をしています。ご査収ください。

授業

「グループワーク、ペアトーク禁止令」下での授業について、あるいは新しい対話型授業の可能性

勤務校で「授業中のグループワーク、ペアトーク等禁止令」が出た。 まあ、このご時世で当然と言えば当然なのだけど、ここ数年間「いかに“教師主導の学び”を脱するか」ということを考えながら授業をしていた身としては『ちょっと、それって授業を何年分元に戻…

【話題】安楽死と「自らの死を選ぶ権利」とモラル

この記事で思い出したのだけど、中学教員時代、「安楽死」をテーマに道徳の授業を設計したことがある。 ____ 対象としたのは中学2年生。 いわゆる「議論する道徳」が好きな生徒たちで、毎回とても活発な意見を出し合っていたし、その後の個々人の考察も深か…

学校と授業はどこへ行くのか、あるいは教員と生徒が共に伸び合う授業研究の未来像

教育系雑誌『授業づくりネットワーク』の最新・34号に僕の書いた記事が掲載された。 記事のタイトルは「隠岐島前高校はどこへ行くのか:対話から始まる“授業づくり”と“学校づくり”」。 授業づくりネットワークNo.34―「授業研究」を真ん中において職場をつく…

半年くらい準備していた授業のこと、あるいは授業で生徒に教わったこと

今日の授業は久々にわくわくするくらいオモシロかった。(最近このブログで愚痴ばかり書いているので今日はそんなテンションで笑) 授業は「人権同和教育ホームルーム」の一環で、まぁ言うなら中学校までの道徳の授業の高校版。「人権同和教育ホームルーム」…

授業スタイルの多様性、あるいは「教えない授業」で教えていることについて

ちょっとした 魔女狩り だと思った。 …と書くと物騒なのだけど、まぁ実際そんな感じだ。恐ろしさと、哀しさと、怒りのこみ上げる発言だった。 発言の主は、とある権威者。もちろん僕なんかよりずっと強い発言力を持っている。発言の場は、とある研修。授業の…

期末試験での小さな挑戦、あるいは“受験勉強”と“課題探究”の境目で起こることについて

2学期の期末試験、高校3年生の数学では、選択制で「テイクホーム試験」を行った。「テイクホーム試験」は、ちょっと難易度高めの探究型の試験問題をあらかじめ配布し、当日までにその解答を準備する形式で、「海外大学ではよくあるんだよね」と学部時代の教…

会議での一コマ、あるいは『授業の責任は誰にあるのか』について。

今回は短文。(本当はいくつか書きかけの記事があるのだけど、内容が多くなりすぎてまとまらずにいる) この前、数学の先生方の会議でちょっと気になるやり取りがあった。(※以下、公開用に内容を一部編集しています) 「授業で使っている問題集の解答ですが…

差別の構造、あるいは考えすぎかもしれない事柄について

つい先日、学校全体で「人権同和教育」の授業をする日があった。その中である授業を見学したのだけど、それについて考えている。 できれば読者の方に一緒に考えていただきたくブログを書いた。_____授業のテーマは「就職差別」。 就職面接では(もちろん進学…

「やらされない」こと、あるいは最近の授業について(2019年4月現在)

今年の1年生の授業は、「やらされるな」の一言からスタートした。 オリエンテーションで言った内容は↓の感じ。 中学校までの教育のことを「義務教育」って言いますよね。 あれは何が義務だったかって言うと、「親が子どもに“教育を受けさせる義務”」なんです…

「授業が崩壊する」とはどういうことか。

この記事は僕がいま実践している授業スタイルを前提に書いている。 なので、できれば前提知識として以下の記事をご一読いただいてから下記に進んでいただきたい。 traveling-teacher.hatenablog.jp 最近、僕の授業を見学してくださった方から「このままでは…

生徒の声を聴き続けること、あるいは今の授業研究に足りないものについて

先日、学校ホームページに掲載する教員インタビューを受けた。 担当の生徒(うちの学校ではホームページの運営も生徒がやっている)がインタビュアーとなり、これまでの職歴だとかこの学校に来た理由だとか今後やりたいことだとかを1時間ほど語っていたのだ…

【書評】リフレクションとはイベントではなく日常的なメンタリティである

季刊誌『授業づくりネットワーク』が届いた。私は今回も(少しだけ)寄稿させてもらっているのだけど、まあ正直なところ、この号のテーマである「リフレクション」なんて、普段ほとんど意識をしていなくて、だからこそ届いた今号の内容がすごく新鮮に思えた…

授業における「自由」と「放任」についてぐだぐだと

毎学期とっている生徒からの授業アンケートに興味深いコメントがあった。(僕の現在の授業形式についてはこちら↓) traveling-teacher.hatenablog.jp 「自由」と「放任」は違う。先生は「放任」はしていないと思うけど。 ……ここで止まっているので生徒がこの…

センター演習について、あるいは満点主義の弊害

時期柄、高3のセンター試験の演習を見たり、高3の生徒にセンター対策のやり方を教えたりすることが多いんだけど、その中でいつも言うのは 「センター試験は満点を取る(取れる)試験ではない」ということ。 まあセンター試験に限らず大学入試全般についてそ…

授業について(2018年11月現在)

僕の授業は、生徒から「自由」と評されることが多い。実際、学校でとっている授業アンケートでも ・授業の良いところ:自由なところ・授業の改善してほしいところ:自由なところ とまあ、そんなコメントを書かれる。 どんな授業をやっているのか、というと、…