旅する教師の業務報告

「旅する教師」として「みんなを自由にする」活動をしています。ご査収ください。

センター試験(数学)と数学的思考力、あるいは「ぼくのかんがえた最強のセンター試験」

センター試験が嫌いだ。
受験生の頃から、ずっと。

特にセンター試験の数学が嫌いだ。
数学に真摯に向き合う生徒ほど、あの問題で高得点が取りづらくなる。(生徒には「本当の学問的な数学を“マラソン”と喩えるなら、センター試験の数学は“110mハードル”だ」なんて言っている)

センター試験の数学で得点を伸ばすコツと言えば

  • とにかく時間内にテンポよく解くこと。なので難しそうな問題はすぐに捨てる
  • 「すぐに捨てる問題リスト」を作っておくこと(相関係数を手計算で求める問題とか、教員の僕でも捨てたくなる)
  • 分からない箇所は「当たりそうな数字」をマークしておけば数点は獲得できる

例:2次関数の最大・最小を取るxの値はとりあえず範囲の両端か頂点、角度を問う問題は3桁なら「120°」、2桁なら「60°」が濃厚、等比数列の公比は問題の桁数に応じて「±2」か「±3」、選択問題はとりあえず②、など。

  • 単元ごとに「必ず聞かれる公式」があるので、迷ったらとにかくそれを疑う
  • 式の係数を答える問題は適当な数を代入してそれに合う数を答えておけばOK
  • 本質を理解していなくても過去問のパターンを覚えて似たように解けばOK
  • 過去問にはない、初めて出るタイプの問題はむしろ楽。問題文に必ず丁寧な誘導が付いているので、それにしたがって計算してればOK

など。

どれも「数学的思考力」なんてものとはかけ離れているし、なんならそういう力を取っ払った方が簡単に点が取れる。
(しかも、最近のセンター試験はその特徴がさらに増している傾向にある)

測りたい力が「数学的思考力」でないのならば、いったい何を測りたい試験なんだろう。

  • 難しいことはすぐに諦め、挑戦しない判断力
  • 深いことを考えず、とりあえず言われたように仕事をこなす力
  • “よくある・常識的な答え”の中からテキトーに解答を選ぶ力

……。

 だ か ら そ う い う オ ト ナ が 多 か っ た の か …… !!!

まぁ実社会の中にはそういう力が必要な場面もまだたくさんあるんだろうけど(官僚的な組織とか)笑、だったら逆にそっちの方に振り切ってしまえばいいのに、と思う。

  • 教科書・参考書持込可
  • インターネット使用可(機器の貸出あり)
  • 周囲との相談可

とかオモシロいし、なんならこっちの方が「仕事をする上で必要な能力」に近いんじゃないかな笑。

センター試験対策の授業をするときは、そんなことを考えつつ(たまに生徒に伝えつつ)、もやもやと妄想しながら笑っている、今日このごろ。