旅する教師の業務報告

「旅する教師」として「みんなを自由にする」活動をしています。ご査収ください。

ニュースより 〜学校の体育・体育的行事が生み出す「運動嫌い」

体育も数学とかと一緒で「社会に出て使う人もいるけど使わない人も充分に多い教科」なんだから、使う人はがっつりやればいいけど、使わない人は楽しめる程度にすればいい(特に中学・高校のカリキュラムでは)。

 

思い出すのは以前の勤務校でのこと。「スポーツフェスティバル」という行事があって、まぁその名の通りスポーツが得意な生徒が活躍する行事だった。

 

そのときにクラスの生徒に言ったのは、

「この行事はスポーツが好きな人や得意な人が活躍できる行事です。そういう人たちは楽しんでがんばって、盛り上がってください。そのための行事ですから」

「でも、盛り上がる中で、近くにいる『スポーツが嫌い・苦手な人』のことも考えながら行動してください」

「想像しにくいなら、自分がいちばん嫌いで苦手な科目の『フェスティバル』があったと考えてみてください。数学フェスティバルとか」

「嫌いで苦手な科目なのに、『みんなで一緒に練習しよう』と言われたから仕方なくやるんだけど、できなかったら『なんでできないの』『やる気ないんじゃないの』と言われる。長縄みたいにクラスの誰かが失敗すると責められる競技があったり、『できるまで朝練しよう』とか言われたりする」

 

ここまで言ったときに、ある生徒(元気な女子生徒)が「それ私、不登校になる!」と叫んだのが印象的だった。

 

「そういう暗い気持ちでスポーツフェスティバルに臨んでいる人もいるかもしれない。だから、その人でも楽しくがんばれるように、周りのスポーツが好きな人・得意な人もサポートしてあげてね」

と追加。

 

そのときのクラスはすごく仲が良かったし、スポーツの得意な生徒たちが気遣いのできる生徒だったこともあって、スポーツフェスティバルも多くの生徒が「感動した!」と言って終わってくれた。

 

体育とか音楽とか、実技教科はテストが「みんなの前で個人発表する」形式になりやすい。だからこそ他教科に比べて不得意な生徒が目立ちやすいし、そういう生徒が素直に楽しめなくなる。(それなのにそういう教科に限って全校行事になりがちだから悲劇が起こる)

 

すぐの特効薬は思いつかないのだけど、まずは生徒一人ひとりに「その教科を通じて何をしたいか」を聞いていって、それに合わせた自由度の高い授業設計をすることなのかなあ。

これは数学にも言えることなのだけど。

https://news.nifty.com/article/economy/business/12117-9944/